2025年10月29日、コミュニティ・バンク京信 QUESTIONにて、「どうする空き家?カードゲーム」を使ったワークショップイベントを開催しました!
当日は、 20代から70代まで幅広い年代の方々が参加。参加のきっかけも「ゲームに興味があったから」「実際に空き家問題に直面しているから」など様々。カードゲーム体験やその後の意見交換も盛り上がり、空き家に関する知識や課題を楽しく学んでいただきました。
INDEX
イベント概要

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イベント名:QUESTIONタウンミーティング
「空き家のカードゲームで気づく、未来へのアクション」
開催日時:2025年10月29日(水) 18:30 – 20:30
場所:コミュニティ・バンク京信 QUESTION(クエスチョン)
7階Creative Commons(クリエイティブコモンズ)
内容:①カードゲーム体験②意見交換③空き家についてのミニ講座
参加費:無料
主催:京都市
共催:コミュニティ・バンク京信(京都信用金庫)
※QUESTIONタウンミーティングとは
コミュニティ・バンク京信(京都信用金庫)が運営する共創施設「QUESTION」を活用し、京都市が抱える社会課題や地域課題をテーマに、地域住民、企業、NPO、学生等、多様な主体の参加による交流・混ざりあいを促進し、課題の解決や地域の活性化を目指す取組です。
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カードゲーム体験
はじめに、ゲーム開発経緯やねらいについて、京都市から簡単に説明しました。

「どうする空き家?カードゲーム」は、空き家の所有者として、自分が所有する空き家の売却を目指すゲームです。
カードゲームを通して、
・空き家を売却するまでのプロセスや、所有者の気持ち・行動、数々の課題を「自分事」として体感してもらうこと。
・気軽に楽しく空き家を話題にして「気づき」や「学び」を得てもらうこと。
をねらいとしています。
ではさっそく、カードゲームの体験です‼
1テーブル3~4名でプレイしていただきました。まずは、1人1つ、好きなカードパックを選びます。カードパックは全部で12種類。選んだカードパックが自分の所有する空き家となります。
どのタイプの家にするか、皆さん悩みながら選んでいました。



パックの中には10枚のカードが入っています。黄色は家の情報が書かれたカード、赤は建物の破損状態を表すカード、緑はお風呂やトイレなど設備等の不備の状態を表すカード、黒は家の登記がされていないなど書類の不備の状態を表すカード、紫は親族の説得状況を表すカードです。
ゲームでは、親族との話し合いや、相続未登記等の書類の不備の解決、建物の修繕等をしながら物件の価値を高め、3年以内により高い利益率での売却を目指します!

不備解消や話し合いを進めるには、それぞれのカードの色に対応した「タイル」を必要枚数集めていきます。赤・緑・黒の「タイル」の裏には金額が記載されていますが、これは不備を解消するためにかかる費用を表しています。紫のタイルは、裏に書かれている数字分だけ親族の説得を進められることを意味しています。
親族の説得や建物・書類の不備解消を進めやすくできるお助けタイルもあります。それは、京都市に実在する「地域の空き家相談員」のタイルです。空き家相談員タイルを選択すると、家の売却に向けたコツやアドバイスが得られ、効果はゲーム終了まで持続します。



親族の説得から始める人もいれば、まずは建物の修繕を進める人も。選んだ家によって、元の資産価値や、親族の説得の大変度合い、書類の不備の内容や建物の劣化具合も異なります。なお売却するためには、親族の説得と書類の不備の解消は必須条件です。必須条件をクリアし、サイコロを振って必要な目が出れば売却成功です!サイコロの目が出るかは運次第という、ゲーム的で「一か八か⁈」でもあるため、サイコロを振る場面はいつも盛り上がります。
意見交換
ゲーム体験後は、2テーブルで1グループとなり、意見交換を行いました。
参加者は年代も立場もバラバラですが、それぞれの気づきや自身の身近な空き家、直面している空き家問題についての考えを共有され、話が尽きないテーブルもありました。意見交換後は、各グループ内で話した内容を発表していただき、全体共有も行いました。
共有されたご意見
<親族間(共有者間)の合意形成の難しさ>
ゲームの中では「親族との対話」のためのタイルを引き、売却への心情を変化させるプロセスも体験します。親族間の早めの話し合いがいかに重要であるかを実感し、親族間の合意形成の難しさを感じました。
<時間と費用のジレンマ>
3年間という限られた期間の中で、家の修繕と親族の説得、どちらに優先的に資源(タイル)を投入するかという判断を迫られ、「費用対効果」や「リスク」をシミュレーションする良い機会となりました。専門家への早めの相談も大切だと分かりました。
<状況の確認の必要性>
相続登記などの書類上の不備を解決するためには、専門家への相談が必要です。
相続した家(相続予定の家)の登記情報は、自分で調べて一度見ておくと良い。購入した時や建てた時の契約書や図面があるかなどの確認も重要!!といった気づきもありました。
<情報不足>
相続登記などの等の書類上の不備を解決するためには、専門家への相談が必要です。
相続した家(相続予定の家)の登記情報は、自分で調べて一度見ておくと良い。購入した時や建てた時の契約書や図面があるかなどの確認も重要!!といった気づきもありました。
空き家についてのミニ講座


最後に空き家についてのミニ講座を実施。
「地域の空き家相談員」の小林悟さんから、空き家に関する具体的な制度の解説や、これまで体験された実例を交えたお話、ゲームで得た気づきを行動につなげるためのアドバイスをいただきました。
講座を聞いて、「小林さんのお話が分かりやすくてためになりました。ゲーム→講座という流れもイメージがわきやすくてよかったです。実家でも『家じまい』の話をしようと思います。」という嬉しいご感想もいただきました!
<小林さんからお伝えいただいたこと>
1 空き家相談員としての実務で印象的だったお話
・相談者様はご高齢で、娘さんの住む中部地方に引っ越すことになり、自宅が空き家に。「一人娘の手を煩わせたくない。京都から離れる前に、何とか自分の責任で自宅の処分をしておきたい」とのことで相談があった。自分の代で決断して自宅の行く末に責任をもち、空き家をつくらなかったことが素晴らしいと思った。「売りたくない、子供に住んで欲しい」とおっしゃる方も多いが、子供が遠方に住んでいるのに「売りたくない」と言われても、管理も難しく放置されてしまいがちで長い期間空き家になる事例も多い。所有する不動産の今後は、自身が責任を持って、どのようにしていくかを早めに考えておくべし。

*相談事例の詳しいストーリーが気になった方は、こちら
Another story~専門家派遣事例「父と娘の心温まる決断」~
2 空き家にするとこんなに大変
・今回体験していただいたゲームは、「空き家を持っていると大変だ」ということを体感してもらえるゲームだが、現実はゲームよりもっと大変。工務店に断られることは、「ゲーム上の事」ではない。忙しい時や、無理をいうような人は断られる。
・管理が不十分で危険な空き家は、固定資産税や都市計画税が増額される可能性あり。
・相続人は、不動産(土地・建物)を相続で取得したことを知った日から3年以内に、相続登記をすることが義務化されている。正当な理由なく相続登記をしない場合、10万円以下の過料が課せられる可能性あり。きちんと登記されているか確認し、未了の場合はお早めに対応を。
・老朽化した空き家が原因で人にケガをさせてしまうと、損害賠償責任を負うことに。台風や地震等の自然災害の際は特に危険。空き家の放置は絶対ダメ!
・京都市では、今後、空き家に対して新たな税金(非居住住宅利活用促進税)が課せられる予定。

3 早めに対策しておきましょう!
以下のような場合は、長期空き家化してしまいやすいため、必ず自分の代で対策しておきましょう。
・売りにくい家(再建築不可物件、狭小住宅、荷物がいっぱいある家等)ほど、子供は引き継ぎたくないと思っている。
・家自体に問題がなくても、子供が遠方に住んでいる場合は、空き家のまま放置されがち。
・兄弟間の仲が良好ではない場合も、長期空き家化しやすい。
<具体的な対策方法>
・雨漏りや不具合は放置せずに早期に修繕を。
ゲームでもあったが、1年目は雨漏りなども安い金額ですぐに直せる。放っておいて雨漏りが進行すると、直すのに時間もお金もかかってしまう。
・荷物は減らしていく。
荷物が多いと売却しにくかったり、賃貸できないことも。
・早めに空き家相談員等の専門家に相談を。
家に不具合があるのか、売りにくい不動産なのかどうか、自分では分からないことが多い。空き家相談員にご相談いただければアドバイスできる。
・家族に、家を相続後どうしてほしいか、希望を伝えておく。
実体験として、「親はたぶん家族の思い出のつまった家を売ってほしくないと思っていたのでは…」と勝手に推測して、相続した家を売ったり貸したりせずに、空き家のまま放置されてしまう方は多い。「●●に住んで欲しい、売らずに賃貸して欲しい、売ってお金で遺産分割してほしい」など、あらかじめ家族に希望を伝えておくことで、相続人も相続後にすぐに動くことができる。気持ちの伝え方は色々あるが、遺言書、家族会議、エンディングノート、家族あての手紙を書く、など。ぜひ、元気なうちに家族やお子さんに伝えておいて欲しい。

また、タウンミーティング終了後の参加者アンケートでいただいた感想等を一部ご紹介。
アンケートでいただいた感想等
<京都市地域の空き家相談員制度について>
・「空き家相談員という制度があることを初めて知った。今回のようにゲーム体験後に相談員さんにプチ解説してもらうと「空き家相談員」の周知につながる。
・高齢者施設や病院等、空き家になりそうな家の所有者とつながる可能性が高い場所にチラシや空き家相談員制度を紹介するパンフレットを配布すると良いのでは。
<ゲームを通しての気づきや学びについて>
・売却するには、相続登記等の書類にかかわる費用が発生することを認識しました。
そもそも、相続していることを認知していないケース(代襲相続の場合など、付き合いのない親族からの相続)もある。
・タウンミーティングに参加し、自分が直面していること(空き家問題)に対する解答を得たような気持ちです。
・同じテーブルの方と、ちょっとした家族話をし、また、「家」に対する異なる価値観を話す、良い機会になりました。
<ゲームを通じて得た認識の変化>
・ただ話を聞くだけではなく、ゲームを通して売却の難しさや必要な手順を体感できたのが良かった。将来、実家をどうするか、家族と早めに話し合わなければと感じた。
・空き家対策(問題)について何もイメージを持てていなかったが、ゲームを通じて早期着手の重要性をひしひしと感じました。対策・手段・選択肢を知っているのと、知らないのでは雲泥の差だと思いました。
今回、単なる知識の伝達ではなく、参加者が主体的に空き家問題に向き合い、解決への一歩に気づくきっかけとなるタウンミーティングになったのではないでしょうか。空き家を社会課題として「マイナス」に捉えるのではなく、「未来へのアクション」の対象として捉え直す、実り多い集まりになったと嬉しく感じています。
お忙しいところ講師を引き受けてくださった小林さん、またイベントにご参加いただきました皆さま、誠にありがとうございました!

カードゲームの無料貸出しています!

「どうする空き家?カードゲーム」は無料貸出を行っています。
地域の集まりや学習会等で、ぜひご活用ください。
高校の授業や大学ゼミでやってみたい、などのご相談もお受けしております。
貸出を希望される場合は、貸出申込書に必要事項を記入のうえ、京都市都市計画局住宅室住宅政策課までご提出ください。
