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京都市
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【地域の取組紹介】「住まいの困りごと」と「みんなのやりたいこと」をつなげよう!-北区紫竹学区

京都市内の空き家対策に取り組んでいる地域の紹介。前回は、左京区大原学区を取り上げました。今回は北区紫竹学区です。自治連合会では、「暮らしと住まいの困りごと」と「好きなこと・得意なこと」をつなげ、楽しみながら地域の安全性を高める取組ができないか、長年考えていらっしゃいました。例えば、空き家を持っている人が庭木の管理で困っていたとすれば、庭での活動が得意な人たちが楽しみながらお世話をする、というイメージです。

そこで、2026年3月、こうした取組や仕組みを探るべく、「「住まいの困りごと」と「みんなのやりたいこと」をつなげよう!」と題したワークショップを開催。地域のみなさんと楽しみながら意見交換をしました。その模様をご紹介するとともに、このワークショップで得られた、他の地域においても参考になるポイントもまとめました。

INDEX

概要

「住まいの困りごと」と「みんなのやりたいこと」をつなげよう!
日時:2026年3月14日(土)14:00~16:00
会場:紫竹小学校ふれあいサロン
参加者:紫竹学区の住民9名
主催:紫竹自治連合会
協力:京都市
プログラム内容:
(プログラムⅠ)まちにある空き家の変化を確認しよう!
(プログラムⅡ)自分の好きや得意を共有しよう・困りごとお助けカルタ大会

誰かに手伝ってもらえる、そんな温かい助け合いを

ワークショップは、紫竹自治連合会の会長・高奥英路さんの開会の挨拶に始まり、ワークショップの開催に至るまでの経過や、今後取り組んでいきたいことについて紹介がありました。

高奥さん

空き家に対して、防犯や防災の観点からもしっかりとした管理が必要だと感じていました。一方、管理をするだけでも大変だという話もよく聞きます。ただ、みなさんが抱える問題は空き家だけではなく、日々の困りごとなども多くあると思います。そこで、困りごとをみなさんの好きなことや得意なことで解決できないかと考え、今回のワークショップの開催となりました。 自分一人では解決できない困りごとがあっても、誰かに手伝ってもらえる。そんな温かい助け合いのシステムを、皆さんと一緒に作っていきたいと考えています。

紫竹自治連合会 会長 高奥英路さん

プログラムに入る前に、事前に行っていた地域の皆さんへのアンケート結果を共有しました。紫竹学区にお住まいの182世帯からご回答がありました。 地域で今後取り組みたい活動、逆に地域からのサポートが必要なことを尋ねると、いずれも「(花を育てるといった)趣味を一緒に楽しむこと」が多くあげられました。趣味を楽しむクラブ活動が活発に行われる紫竹学区ならでは、かもしれません。

住まいや暮らしについて、「町内や周りで気になる空き家がある」と感じ、地域が空き家所有者と連絡をとれることが重要だと考える方が多くいらっしゃいました。しかし、住まいの将来について、家族ときちんと話し合っている世帯は多くなく、「高齢になれば住まいの維持がより難しくなりそう」という声もありました。

取り組みたい活動・必要なサポート
地域が空き家所有者と連絡をとれることの重要性

地域としてどのような仕組みが作れるか。まずは、アイスブレイクとして学区内の空き家の変化を確認するプログラムから始めました。

カルタ大会でお助けアイデアを考える

プログラムⅠでは、参加者同士でコミュニケーションをとりながらまちの変化を確認するため、令和2年度に自治連合会が行った空き家調査の結果をもとに、解消されている空き家や新たに空き家になった住宅をマッピングしました。マッピングにより学区内の空き家の状況が可視化されたことで、参加者全員で状況を共有できました。

マッピングにより、空き家の現地調査をせずとも地域の状況が分かるね、という声も。

プログラムⅡでは、みなさんの楽しみながらする活動が住まいや暮らしの困りごとを解決する、という仕組みをつくれないか探るため、「困りごとお助けカルタ大会」を実施しました。

このカルタ大会は、住まいや暮らしの困りごとが書かれたカルタを1枚ひき、好きなことや得意なことが書かれたカードと組み合わせて、困りごとを解決するお助けアイデアを考えるというもの。

「空き巣に入られる」という橙色の困りごとカードをひいたとし、机の上にある「さんぽ好き」という青色の好きなことカードを組み合わせて「散歩が好きな人が見回りも兼ねて散歩する」というお助けアイデアカードが誕生する、というイメージ

参加された方の好きなことや得意なこと、日頃感じる困りごとも共有され、参加者同士の経験から困りごとの解決策を考える場面もありました。

アイデアがどんどん出てきます。
ワークショップで出たアイデア(抜粋)

カルタを通して、楽しく、日頃の困りごとや解決方法を考えることができました。参加者同士でまちの変化や状況、日頃の思いなどを共有できる良い機会にもなっていました。

ワークショップのまとめ時に、「普段『困っている』とは言いだしづらいのでは?」という疑問が。それに対し、「『サロン』みたいな場があれば、声をかけやすくなる!!」という意見も。

地域では、今回のワークショップを機に、みなさんの「好きなこと・得意なこと」が「住まいや暮らしの困りごと」を解決する仕組みづくりについて、引き続き考えていきたいとのことでした。

他の地域においても参考になるポイント

このワークショップで得られた他の地域においても参考になるポイントもまとめましたので、ご紹介します。

●プログラムⅠ【過去に調査した際にの地図をもとにしたマッピング】

学区内の空き家の実態調査は、町内会長をはじめとした多くの方の協力を得る必要があり、現地での確認など負担も大きく、継続的な実施が難しいと感じる地域も多いと思います。

今回のワークショップでは、過去に実施した空き家調査のマップをもとに、参加者が把握している範囲で、解消されている空き家や新たに空き家になった住宅をシールでマッピングしました。

空き家の状況に応じてシールを色分けするとよい。

過去の調査時点からの状況変化が可視化されるだけでなく、マッピングの際に「所有者がたまに管理している」「所有者は近くに住んでいる」など、ご近所だからこそ知り得ている情報もあわせて書き出すことで、詳細な状況を共有することができます。

ポイント:継続的な空き家の状況把握に向けて

過去に作成した空き家マップや住宅地図を用い、町内会長が集まる総会等の場にて空き家の状況をマッピングするだけでも、負担が少なく、継続的に学区内の空き家状況を把握することができます。

●プログラムⅡ【困りごとお助けカルタ大会】

地域で解決が期待される課題は、空き家問題も含め年々増加・複雑化しています。

どうすれば課題解決できるかを正面から向き合うと解決策を考えるのが難しく、地域で行えることの限界を感じる場面もでてくると思います。

今回のワークショップでは、日々の暮らしや住まいにおいて抱える困りごとを、参加者の好きなことや得意なことを活かし、楽しく解決できるアイデアを考えました。 カルタ大会という手法を用いたことで、まるで大喜利かのように、ざっくばらんに楽しくアイデアを考えることができました。

ポイント:地域活動の一つとして取り組む空き家対策

地域の実情を踏まえ、空き家対策に関連した活動拠点づくり、防災・防犯問題等、地域の関心にあった課題とあわせて取り組むことで、住民の空き家に対する関心を高め、空き家対策の継続につながります。
解決策の検討にあたっては、「誰が・どうやって行うのか」という現実的な問題を考えることも大切ですが、今回のカルタ大会のようにゲーム感覚に近い形でざっくばらんに出し合うことで、まずは地域課題と楽しく向き合っていくことができます。

そのほか、地域の空き家対策において、取組過程で生じる課題・悩みとその解決策を、京都市内で実際に行われてきた取組や市の制度を交えてQ&A形式で紹介する「地域で取り組む空き家対策ガイドブック」を公開しています。現在、空き家対策に取り組んでおられる地域やこれから取り組もうとされている地域の皆さまにとっての参考になれば幸いです。

【ガイドブックをみる】

credit:

株式会社地域計画建築研究所(アルパック)内野 絢香、森 崇太、竹内 和巳/京都市住宅政策課 池垣 和司

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