2024年12月8日に、ゼスト御池河原町広場にて、暮らしの価値を再発見するマーケット「KYOTO DIG HOME MARKET」を開催しました。10時から16時までの間に、およそ1000人の方が立ち寄ってくださいました。
INDEX
「KYOTO DIG HOME MARKET」概要
テーマ:暮らしの価値を再発見するマーケット
開催日時:12月8日(日)10:00 – 16:00
場所:ゼスト御池河原町広場
地下鉄東西線「京都市役所前」改札出てすぐ
市バス「京都市役所前」下車すぐ
入場無料(一部ワークショップは有料)
主催:京都市
運営:株式会社都市機能計画室、株式会社ぬえ(Kyoto Dig Home Projectプロジェクトチーム)、京都市都市計画局住宅室住宅政策課
協力:白木友子(YAKUMI)、合同会社バンクトゥ、松本花音
設営協力:株式会社関広
KYOTO DIG HOME MARKETでは、こんなコンテンツをご用意しました。
・端材や不用品を使ったクリスマスオーナメントづくりのワークショップから、オリジナルPCゲームのコーナーまで親子で楽しめる「ワークショップブース」
・「不動産」や「建築」の専門家に、住まい探しや改修などの相談ができる「専門家ブース」
・空き家に関するカードゲームが体験できる「カードゲームコーナー」
・ユーズドハウス(中古住宅)を活用してお店を運営されている方々による本や雑貨、フードの「マーケットブース」
・ユーズドハウスの活用アイデアをパネルで紹介し、参加者からご意見を募集する「KYOTO DIG HOMEブース」
・今回出展いただいたみなさんとの、ユーズドハウス活用に関する「トークステージ」
では、当日の様子をお伝えいたします。
「WORKSHOP/ワークショップ」ブースのようす
ユーズドハウスの改修を多く手がける西陣の青島工芸さん。大工仕事で出る木っ端を使ってクリスマス飾りをつくるワークショップを開いてくれました。古材も販売。
「どんぐりになって空き家を冒険する」という、オリジナルのデジタルゲームをつくってきてくれたstudioDANN/団さん。誰でもフラッと立ち寄ってプレイしてもらえるため、老若男女に大人気でした。
全国の福祉施設でつくられたオリジナル雑貨や、障がい者アーティストさんの作品をセレクトした、二条駅近くにある町家の雑貨屋さんです。作品販売と「ビーズブローチづくり」のワークショップを実施してくました。
普段は捨ててしまうような段ボールなどの端材を使って、クリスマスオーナメント、小さい動物飾り、お面などをつくるワークショップを実施してくれました。工作に夢中になる子供たちの姿が印象的でした。
四条河原町に本店がある雑貨店イノブンのインテリアデザインセクション「イノブンスタイル」。「お家リノベーション」 について飛び込み相談に対応いただきました。タイルを使ったコースターづくりのワークショップ「アートフレームを作ろう!」にもたくさんの方が参加され、思い思いの色使いで作品を制作されていました。
ユーズドハウスを活用する、さまざまな方々による「MARKET/マーケットブース」
東山にあるユーズドハウスを活用して、3Dプリンターで制作した芸術・文化・歴史・民族・科学・自然、世界の様々なモチーフのクッキー型を展示販売するsacsacが、クッキー型の販売と、店主がメンバーであるブラジル音楽を奏でるバンドAveCovoの楽器の展示、また同バンドメンバーでもある諸国新古物タテガミイヌによる古物販売をしてくれました。
西陣の外れにあるユーズドハウスを活用した本屋さん。子供向けの絵本や家にまつわる本のほか、新刊と古本を織り交ぜた雑多な品揃えの本棚をつくってもらいました。地下鉄の駅側から歩いてくる方が、まず目にするイベントの「顔」になり、たくさんの方に足を止めていただきました。
ユーズドハウス改修を多く手がけ、ホテルや飲食店も運営する建築事務所DAYが、新たにつくったお店Arashiyama Canneleのカヌレを販売してくれました。当日は店主と直接お話できる機会もあり、さまざまな方がブースに来られました。
河原町丸太町のカフェha raの店主 原こころさんが、ユーズドハウス活用の良さを紹介してくれました。
「スタジオものや」スタッフ吉田卓史さんや、Kyoto Dig Home Projectのウェブサイトで吉田さんを取材した合同会社バンクトゥのメンバーによるブースでは、吉田さんセレクトのアンティーク雑貨や、バンクトゥによる路地の魅力を発信するオリジナル冊子の販売がありました。
千本丸太町界隈にあり小学生がフラッと立ち寄れる、「飲食できる八百屋さん」がおにぎりとゆずを販売してくれました。おにぎりはすぐに売り切れてしまいました。
トークステージのようす
ステージでは、10時半から16時までユーズドハウスの活用にまつわるトークや演奏が続きました。ステージ前にはマット敷のプレイスペースがあり、木のおもちゃで遊ぶ子どもたちや、お父さんお母さんで賑わっていました。
10:30〜10:50:イロドリ ヨリドリ
「ホームセンターをフル活用して、いろんなところをDIYしました」と、自身のDIY体験を語ってくださった、二条駅近くでセレクトショップを運営する、ヨリドリ イロドリの寺村さん
10:50〜11:10:不動産屋さんと建築士さん
「行かせたい学校がある方はその学校の「学区」について調べられるとよいですよ」「オンラインでも直接でも、まずお気軽に相談してください」と語る、京都市地域の空き家相談員の呉山さん
「ボロボロだった家がこんなに変わるんだ、と喜んでもらえます。100年くらいの家は土壁が残っていますし、気持ちのいい空間になりますね」と語る建築士の渡邉さん
11:10〜11:30:futo & bank to
「ほとんどDIYもせず、古家具や古道具をたくさん置いて暮らしを楽しんでいますね」と語る古道具の販売やケータリングを手掛けるfutoの吉田さん(右)、「路地物件と聞くと、狭いんじゃないか、暗いんじゃないかなどマイナスに思えるかもしれませんが、吉田さんのお宅はじめ、そうでない物件もあるんです」と語る、毎年6/2にイベント「路地の日」を開催したいバンクトゥ(bank to)の光川さん(左)
11:30〜11:50:開風社 待賢ブックセンター
「小学一年生になるうちの子のことを地域で見守ってもらえるのがありがたいですね」と語る開風社 待賢ブックセンターの鳥居さん
11:50〜12:20:AveCovo(演奏)
sacsac木山さんもメンバーであるAveCovoのみなさんによる、ブラジル音楽の演奏にたくさんの方が足を止めて聞き入っていました。木山さんのユーズドハウスは練習場所から近く、楽器置き場にもなっています。
13:00〜13:20:DAY
「依頼いただく方はせっかくやるなら町家でやりたい、京都ならではの雰囲気をつくりたい、物件を持っているけどどうしたらいいんだろう、という方が多いですね」と語る、施設運営まで自分たちで担当する設計事務所DAYの渡部さん
13:20〜13:40:不動産屋さんと建築士さん
「予算から仕方なく決めるのではなく、まずは夢を膨らませてワクワクしながら家探しをしてほしいです」と語る京都市地域の空き家相談員の小林さん(左)と、「ユーズドハウスは他で代えられないというか、新築には出せない魅力を持っていますね」と語る、木造の住宅を得意とする建築士の冨田さん(右)
13:40〜14:00:イノブン
「イノブンの店舗みたいにしてほしい、と依頼を受けて、満足してもらったときは嬉しいですね」と語る、改修設計を担当するイノブンの綿野さん
14:00〜14:20:ha ra
「鴨川に近いところでお店をしたい、と思って探して、ここなら気持ちのいい空間がつくれるかもと感じたんですよね」と語る、出町柳のカフェha raの原さん
14:20〜14:40:yatono
「物件のガレージをみたとき、ここでお店できるやん。って思ったんですよね」「来年にはお店を引っ越すんですが、そちらもユーズドハウスです」と語る、二条駅の近くで八百屋さんを営むyatonoの岡崎さん
14:40〜15:00:京都工芸繊維大学水野大次郎研究室/studio DANN/団
「京都の西側に位置する洛西ニュータウンを拠点にして、団地の空き家改修をはじめ地域の方々と活動を進めています」と語る、studioDANN/団の西田さん(左)鈴木さん(右)。今回オリジナルゲームをつくってきてくれました。
15:00〜15:20:青島工芸
「ユーズドハウスはめくってみてわかることだらけ。どの物件も二つと同じものがありませんから、面白いんですよね」と語る、ユーズドハウス改修も多く手掛ける大工の青島工芸青島さん(左)。はしもとさん(右)は「創意工夫と根性があれば、ユーズドハウスで楽しく暮らすことができると思います」と話してくれました。
後半に続きます
トークステージでは、ユーズドハウス探しのサポートをする不動産屋さん、設計や改修を担当する建築士さん、手を動かす大工さんをはじめとした方から、ユーズドハウスを活用してお店をされる方まで、さまざまなお立場での、十人十色のユーズドハウス活用法や、その背景にある思いが語られました。
印象的だったのが、ステージのみならず会場のあちこちで対話が起こり、ときには新たな出会いや依頼が生まれていたことです。ただ飲食を楽しむだけでも、ものを購入するだけでもなく、今回のイベントが、来場者の皆様にとって、今回のテーマである「暮らしの価値を再発見する」機会となっていたら、これ以上なく光栄です。
後編では、「Kyoto Dig Homeブース」でのご意見紹介や出展者の方々からのコメントなどをご紹介します。「Kyoto Dig Homeブース」は2025年1月の1か月間、市役所本庁舎でパネル展示を開催中です!
(後半記事は2月3日公開予定です)