京都市空き家対策担当では、2026年8月27日(木)に市役所本庁舎にて「空き家セミナー&京都市役所ミニツアー」を開催いたしました!!この取り組みは、空き家に関する意識を高めつつ歴史的建築物の魅力に触れていただくことを目的に企画された、今回が初めての試みとなります。 ありがたいことに定員をはるかに超える応募があったため、抽選とさせていただきました。
当日は、今、空き家を所有されている方をはじめ、将来の空き家問題に備えたいとお考えの方や、普段はなかなか入ることができない歴史ある建物を見学したい方など、幅広い層の方々にお越しいただきました。参加された皆様にとっても、「わが家」の未来について深く見つめ直す、大変実り多い時間となりました。 その模様をお伝えします!
INDEX
概要
空き家セミナー&京都市役所ミニツアー
日時 令和8年8月27日(木) 午前10時~11時35分
場所 京都市役所 本庁舎1階 第2会議室
内容 ①空き家セミナー「空き家で困らないために今準備すること」
講師:若山正治さん(京都市地域の空き家相談員)
②京都市役所ミニツアー
対象 京都市内に在住又は住宅を所有する(将来住宅を相続する)18歳以上の方
定員 30名(要申込)
参加費 無料
プログラム1:「空き家で困らないために今準備すること」セミナー
今回のイベントで核となる第1部では、「空き家で困らないために今準備すること」と題したセミナーが開催されました。講師には、京都市地域の空き家相談員として活動されている「若山不動産」の若山 正治(わかやま まさはる)さんをお招きしました。 若山さんは、不動産取引や管理に関する実績と深い見識を有していることはもちろん、福祉や教育など幅広い分野においても豊富なご経験と功績をお持ちの専門家です。

【セミナーの主な内容とポイント】
◆放置のリスクと実例
空き家を放置することで生じるリスクや将来困らないために「今」始めるべき準備について、写真と具体的な実例を交えて解説。
◆空き家問題をつくる「5つの棚」
表面化している問題の背景にある多様な要因を「5つの棚」として整理・掲示。
セミナーの冒頭では、まず「空き家をそのまま放置してしまうことで、具体的にどのようなリスクや損失が生じるのか」について分かりやすく解説されました。その上で、将来放置空き家になって困ってしまう状況を避けるために、「今」から取り組むべき準備や心構えについて、実際にあった事例を豊富に交えながら詳しくご説明いただきました。
若山さんによると、空き家問題は単に建物そのものの老朽化といった表面的な事柄だけでなく、その背景に複雑に絡み合った様々な要因が隠れているとのことです。そして、それらの課題を整理して捉えるための視点として、空き家問題を作り出す「5つの棚」という独自の考え方についてお話しいただきました。

【ワークショップについて】
◆「我が家の未来カルテ」
参加者の皆様には、「我が家の未来カルテ」を用いて、以下の視点でご自宅や気になっている不動産について思考の整理をして頂きました。
□わかっていること(☑)
□わからないこと(?)
□ちょっときになること(!)
説明に続いて行われたワークショップでは、参加者の皆さんに事前配付された実践ツール「わが家の未来カルテ」を手にしていただきました。このカルテを使いながら、ご自身の「わが家」の現状について、「分かっていること(✓)」「分からないこと(?)」「ちょっと気になること(!)」という3つの視点に分けて思考を整理する作業を進めました。
「わが家の未来カルテ」はこちら
このワークショップを通して、自分の家が置かれている「危機度」や、対策を進める上での「難易度」を客観的に把握・振り返りました。また、一度に大きな解決を目指すのではなく、今日から無理なく始められそうな「小さな一歩」を具体的に探してみることの大切さについて、気づかせていただきました。
プログラム2:京都市役所ミニツアー
イベント後半の第2部は、京都市役所本庁舎の館内を巡るミニツアーです。
京都市役所本庁舎は、国の登録有形文化財にも指定されている格式ある建造物です。長年受け継がれてきた伝統的な建築技術と最新の改修技術が見事に融合し、京都の豊かな歴史や文化を象徴するシンボリックな存在です。
今回のツアーでは、普段は一般公開されていない特別なエリアを巡るルートを用意しました。見学にあたっては、建物の歴史的背景や近代化改修における重要なポイントについて、京都文化財マネージャーでもある市職員がガイドとなって、分かりやすく解説しました。

ツアーの最初にご案内したのは「市会議場」です。可能な限り創建当時の姿を再現し、歴史ある厳かな雰囲気を残しつつ、バリアフリー化などを施し、現代の議会運営に適した施設にリニューアルされた空間です。参加者の皆様は、壁に飾られた歴代議長の写真パネルを見上げたり、優美な緞子(どんす)張りの壁面に触れて質感を確かめたりと、普段はできない体験とそれぞれの関心をもって思い思いに見学を楽しんでいらっしゃいました。


中には西陣織で作成された肖像画も!!
続いてご案内したのは、本庁舎4階に位置する大変格式高い空間である「正庁(せいちょう)の間」。一時は事務的な執務室として使用されていましたが、昭和初期の創建当時の姿を忠実に復元されました。再整備後は、審議会や式典等外部の方との交流の場として、また国内外から京都を訪れる貴賓をお迎えする公式な歓迎行事の場として活用されています。

その後、正庁の間に隣接して新設された「和室」の見学へと向かいました。室内での安全かつ快適な見学を考慮し、ここでは10人ずつのグループに分かれて順番に見学しました。
この和室は、令和3年の市庁舎改修工事に伴って新たに整備された「おもてなし」の空間です。可能な限り京都市内産の木材を使用し、洗練された数寄屋風の造りで仕上げられています。参加者の皆様は、必要に応じて部屋を2間に仕切ることができる仕掛けや、本物の板のような精巧な木目が施された耐火性に優れる不燃ボードの技術など、細部にまで考え尽くされた匠の工夫に強い関心と驚きを示されていました。


ツアーの公式プログラム終了後には、本庁舎の外壁を内部の空間に取り込んだ渡り廊下や緑豊かで開放的な屋上庭園など、庁舎内のその他の見どころポイントを自由に散策していただきました。
京都市役所は、市民や観光客の皆様が気軽に立ち寄れるオープンなスペースがたくさんあります。実際に今年の夏休み期間中にも、館内の涼しいフリースペースを利用して夏休みの宿題に取り組む小学生の姿や小さなお子様が屋上庭園で遊ぶ姿が見られる、市民に親しまれる憩いの場となっています。
今回が初めての企画・開催となった「空き家セミナー&市役所ミニツアー」でしたが、ご参加いただいた皆様全員が熱心に講義に耳を傾け、興味深く見学してくださり、あっという間にイベント終了となりました。
京都市としては、今回の成果や頂戴したご意見やアンケート結果を踏まえ、内容をブラッシュアップしながら、今後も継続してこのようなセミナー&ツアーを開催したいと考えております。
参加者の声
今回のイベント終了後に実施したアンケートでは、参加された皆様から多くの温かいご感想や貴重なご意見をいただきました。その一部をご紹介いたします。
【セミナーについて】
- 「『単に建物という家そのものだけでなく、そこに住む・関わる人そのものの思いや生活を考えていくことが大切なのだ』という講師の言葉が深く心に残りました。」
- 「単なる物理的な空き家対策や処分方法だけでなく、所有者の気持ちや家族間でのコミュニケーション・対策こそが最も重要なのだと改めて実感しました。」
- 「自分の家の『危機度』『難易度』、そして『どこに相談してみようか』といった自己評価を行う作業は、現状の課題や自分の現在地を客観的に把握する上で大変有効だと感じました。」
【ミニツアーについて】
- 「日頃はなかなか立ち入ることができない貴重な非公開エリアをじっくり見ることができて本当に良かったです。」
- 「昨年京都へ転居してきたばかりだったので、今回のツアーで市役所の歴史と素晴らしさに触れることができてとても感動しました。」
- 「詳しい解説を聞きながら見学できたので、理解が深まりとても充実度の高いツアーでした。」
- 「建物全体から、京都市の顔として訪問者を楽しませようとする『おもてなしの心』が伝わってきました。」
普段は立ち入れない特別な空間を実際に体感できたこと、そして京都市役所という建物の歴史的価値や魅力に深く触れられたことに対して、多くの皆様から満足というお声をいただき、嬉しく感じております。
空き家に関するご相談窓口のご案内
ご自身の家や実家の将来、空き家の管理や活用に関する疑問・お悩み等がございましたら、いつでもお気軽に下記相談窓口や京都市地域の空き家相談員までご連絡ください。
本イベントが、皆様にとって「わが家」の未来や「空き家」について前向きに考える良いきっかけとなれば幸いです。
京都市空き家相談窓口 TEL:075-231-2323
京都市役所住宅政策課(空き家担当) TEL:075-222-3667