いいなと思うエリアをぶらぶら歩く方がいい
Aさん
ちなみに、土地を買って戸建てを新築すると今どれくらいかかるんですか?
秋山さん
京都市内中心部は土地の値段がかなり高くなっているのですが、少し離れた西京区中心部でも、たとえば30坪の土地が約3000万円~約4000万円、そして建物も3000万円~5000万円くらいかかるので、最低で6000万円はかかってくるでしょう。
他方、京都市郊外になるともうすこし手軽になります。不動産購入時の仲介手数料や金融機関の事務手数料、登記費用や引越代も予算組みしておかれると無理なく資金計画をたてることができます。
うちで最近取り扱った、西京区の物件は900万円をかけてリノベーションして貸家にしています。家賃は11万5000円です。


Aさん
その家賃は、相場と比べてどうですか?
秋山さん
家賃は相場ですが、ペット可にしているんです。一般的にマンションにおけるペットの条件は、柴犬くらいがギリギリNGで、トイプードルくらいまではOKです。
中型犬や大型犬を飼っていて一緒に住みたいというニーズはありますし、そのときに戸建てでちょっとした庭で一緒に住みたい、という思いを持っておられる方も一定数おられます。
ペットと一緒に暮らしたい、という思いを持っていたけど、何件も断られて、最終的に入居を決められた方もいました。
こうやって「価値感」に寄り添えるのはいいなと思っています。
Aさん
まさにKyoto Dig Home Projectの「価値はユーザーが選ぶ」という理念とも響きますね。
秋山さん
そうですね、とはいえ不動産屋の視点からすると、築50年以上のものは解体することが多いです。2年間の契約不適合責任を負うのが難しいことが多いので。もちろん、京町家などは築50年を超えていても場所によっては資産価値はかなりありますが。
一方で、築30年くらいまではまだ改修して活用できるなという感触があります。一見ボロボロであっても、よくよく物件を見ていくと使えるなというものもある。
Aさん
前編でわたしが結論とした「ユーズドハウス」について、ほかにもどんな物件があり得るのでしょう?
秋山さん
例えば、すでに入居されていますが、こちらの物件はいかがでしょう。最近弊社で買取再販をした物件です。伏見区淀の物件で、平成14年築、駅から徒歩7分。水回りは大半を一新し、クロスも全て張り替えし、近くにお住まいの方が購入されました。




Aさん
写真を見ると、すでに改修が完了しているので、どの部屋をリビングや寝室にしようか、とかイメージがわきますね! 最後に、なかなか一歩踏み出せない方へ向けたアドバイスをいただければ幸いです。
秋山さん
そもそもの話になりますが、広告やインターネットにない物件情報はもちろんあります。
お勧めするのは、いいなと思うエリアをぶらぶら歩くことです。まちの風景を見て歩くと、新しい発見があるかもしれません、そして、「貸家」「売家」の看板を発見して気になったら調べたり問い合わせたりする。その物件情報がインターネットに掲載されていなかったらもうけものかもしれません私は常々そうしてまちを歩いて、物件動向に注視し、まちの移り変わりを体感しています。

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もやもやユーズドハウス、後編いかがでしたでしょうか?「いいなと思うエリアをぶらぶら歩いてみては」というアドバイスは、今日から実際にトライすることができそうです。
ちなみに秋山さんご自身は「買いたい、借りたい方」というよりは、「貸したい、売りたい方」に向けたビジネスをメインとし、貸したり売ったりした先に次の住まい手が見つかるのでは、という考えのもとで運営されているそう。
不動産屋さんにはそれぞれの得意分野や専門分野があるとのことで、「もやもや」をお持ちの方は、ぜひご自身に合う専門家さんに相談されてみてはいかがでしょうか。
秋山さん、お忙しいところありがとうございました。
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