住まいづくりは生きる自信につながる。〈ナリワイ〉を実践する伊藤さんの「中古住宅DIYのはじめかた」
Kyoto Dig Home Projectのテーマである「価値はユーザーが選ぶ」を実践する人に焦点を当てる「暮らしのディグり方」。今回紹介するのは、「仕事と遊びと生活が一体化」した仕事を「ナリワイ」と定義し、現代社会を人間らしく生きていくための方法論を提唱したロングセラー本『ナリワイをつくる』の著者である伊藤洋志さんです。 伊藤さんが考案・実践しているナリワイは、じつに多種多様。農家の繁忙期に助っ人となり収穫物の販売もおこなう「遊撃農家」や、モンゴルの文化や雰囲気を体験できるワークキャンプ「モンゴル武者修行」、〈風景をつくっていく野良着〉をテーマにした作業服メーカー「SAGYO」のディレクションや販売会など……。そんな数ある伊藤さんのナリワイのひとつが、京都市北区紫野にあるシェア別荘の「古今燕」です。 茶室の特徴を取り入れた数寄屋づくりという戦前建築の保全・継承を目的にした「古今燕」は、京都の「手仕事」の見事さを堪能できる一戸建て。伊藤さんが友人・知人の協力を得ながら約2年をかけてこつこつとDIYで手直しし、会員が別荘として利用するほか、落語や狂言などの催しが開催されています。 現在のようにDIYが気軽に行われるようになる前から格安物件を改装し、人が集う場所をつくり出してきた伊藤さん。例えば中古物件の床は素人でもあまり費用をかけずに素人でも張り替えられ、こうしたDIYが生きる自信につながるといいます。そのわけとは。じっくりお話をうかがいました。